失敗しないの?
インビザラインに失敗はあるの?
メリットばかりが目立って取り上げられるインビザライン矯正。マウスピースは透明で目立たず、装着しているのは人目にはわかりづらいといわれています。取り外しもできるため、いつでも洗浄できて衛生的。そして、世界でも多くの患者が利用しているインビザライン矯正ですが、日本での導入は2006年とその歴史はまだ浅く、そのため安全面を考えて学会や日本薬事法でも医療機器としてまだ認可されていません。
望んだ結果が得られなかったということが起こらないように、メリットだけに目を向けるのではなく、リスクや失敗例についても事前にきちんと知っておきましょう。とくに多い失敗例についてご紹介していきます。
失敗ケース1 治療ケースが適切でない
インビザライン矯正で一番大切なのは、クリンチェックという3Dのシミュレーション動画の治療計画です。
このクリンチェックで歯を移動するシミュレーションをつくり、実際に歯を動かしてみます。もし途中で合わなくなった場合は、その原因を突き止めて、再度シミュレーションを作り直す必要があります。シミュレーションはあくまでも画面上での動きのため、患者さんの状況に合わせて、精査を繰り返して治療計画を修正していくのです。
1回のクリンチェックで成功することは稀で、たいてい2~3回ほど作り直す必要があるといわれています。これには、医師の経験に基づく適切な判断力が重要になってくるため、経験値が浅いドクターだと失敗するケースもあり得ます。
失敗リスクを回避するためにも、経験豊富な医師のもとで治療しましょう。
失敗ケース2 装着時間が足りない
インビザライン矯正はマウスピース矯正のため、自分で取ったり外したりできます。治療の効果を得るためにはマウスピースを20時間以上装着する必要がありますが、中には装着時間が足りない患者さんもいます。
外している時間が長くなると、思うような結果が見込めなかったり、矯正効果も減少してしまいます。
定期的に通院し点検した際に、シミュレーション通りに行っていない場合は、医師から装着時間についてもアドバイスを受けるので、それに従いましょう。
失敗ケース3 そもそもインビザラインに適さない症例だった
通称「見えない矯正」ともいわれるほど人と対面しても目立たず、ワイヤー矯正よりも痛みも少ないのがメリットの一つであるインビザライン矯正。しかし、すべての人に有効な矯正方法ではありません。
症例によって、インビザライン矯正が適する人と適さない人がいます。診断時に適しているかどうかの判断が大事になります。
見極められるか、リスクについてきちんと説明してくれるか、医師の経験や能力が試されますので、診療実績も多く経験豊富な医師を見つけましょう。
適さない症例を挙げると、顎の骨格がズレている場合や歯を大きく移動する必要がある場合、歯根の向きを変更する場合などは、インビザライン矯正には向いていません。
なぜ適さないのか詳しく見ていきましょう。
症例1:顎の位置が骨格的にズレている
顎のサイズがもともと小さい、上下左右と顎の位置がズレている場合は、インビザライン矯正は適しません。
顎の位置の変化を想定していないのは、マウスピースだけでは骨格を変えることはできないためです。
顎の位置を正しい位置へもっていくためには、ブラケットと呼ばれる歯にワイヤーをつけるための装置と、ワイヤーの使用が必要です。
症例2:歯の移動が大きい
歯の移動距離が大きいものは、インビザラインに適しません。
マウスピースでの矯正は出来なくもないですが、治療期間が長くなってしまいます。インビザラインは1年半~3年程度の治療期間が一般的ですが、歯の移動が大きいと4年以上かかってしまう場合がほとんどです。
抜歯し、歯を大きく移動させる矯正法ではワイヤー矯正のほうが適しています。
症例3:重度の不正咬合
上下の歯に大きなズレは見られる、噛み合わせに大きな問題がある場合は、インビザライン矯正には向きません。骨格を正しい位置にしたり、歯を大きく移動させることはできないためです。
重症の場合は、ワイヤー矯正のほうが適していることがあります。理想的な歯並びになるためにも、その判断ができる医師の診断は重要になってきます。
失敗ケース4 虫歯や歯周病になった
インビザライン矯正はマウスピース矯正のため、虫歯や歯周病のリスクが高くなるといわれています。
その理由に唾液の影響を受けにくいことが挙げられます。唾液には、虫歯菌を中和させる効果や歯の再石灰化を促す効果がありますが、マウスピースをつけることで、唾液が行きわたらないのです。
その状態でアライナーと呼ばれるマウスピースを装着したまま、水以外の飲み物を飲むだけでも恐ろしいことが起こります。ソフトドリンクやコーラなどの糖分が多いものやビールやワインといった酸性度の高いものを飲んでいると、酸蝕歯や虫歯になりやすくなります。それだけ糖分や酸性のものは歯のエナメル質を溶かすのです。
インビザライン矯正治療を行う前には、虫歯も歯周病もきちんと治療してからでないとできません。
インビザラインに向かない人
インビザライン治療では、可能性は低いですが、治療がうまくいかないケースもあります。治療計画が適切でないなど、クリニック側に問題があることもありますが、以下のような特徴がある人はインビザラインの治療が向いているのか検討をする必要があります。
自己管理ができない
インビザラインのアライナーは食事や歯磨きの時に自分で取り外しできます。これは治療の大きなメリットですが、自己管理が難しい方にとっては、治療がうまくいかない原因ともなります。アライナーは1日に20時間から22時間は装着する必要があります。これは外している時間が長いとうまく歯が動かないためです。また、歯科クリニックで説明された正しい装着方法ができなかったり、アライナーの交換を頻繁に忘れてしまったりする場合も治療はうまくいかなくなります。
通院が難しい
インビザラインの治療期間はワイヤー矯正などと比較して短い傾向にあります。しかし、症状にもよりますが、年単位の通院が必要になることが多いです。仕事が忙しい、転居の予定があるなどで通院が難しい場合は、通院できる時間ができてから治療を開始してください。
虫歯や歯周病になりやすい
インビザラインのアライナーは、最初の型取りの時に必要な分をすべて製作しています。もし、治療中に虫歯や歯周病になると、アライナーが合わなくなってしまうので、治療は中断してしまいます。インビザライン治療中でもしっかりと歯磨きなどメンテナンスをしてください。
歯ぎしりや食いしばりがある
歯ぎしりや食いしばりがあると、アライナーが破損してしまうことがあります。歯ぎしりや食いしばりは自分でコントロールできないものですから、インビザラインが向かない場合には、ほかの治療をすすめられることもあります。
まとめ
インビザラインの治療は、目立ちにくく、食事や歯磨きのときには自分で器具を外せるなど、多くのメリットがあります。
しかし、自分で管理することができないと治療がうまくいかなくなることもあります。大切なことは、装着時間を守ること、虫歯や歯周病にならないようにメンテナンスをすること、マウスピースの交換は決められた時期に必ずおこなうこと、必ず定期的に通院をすることです。
ほかにもインビザラインの疑問について下記のページにまとめました。ぜひ参考にしてください。
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