開咬(オープンバイト)
インビザラインによる開咬の治療方法
開咬(オープンバイト)は噛み合わせの不具合の解消とともに、前方に倒れた歯を正常な位置に戻す治療が必要です。
症状が軽度であれば、歯並びの修正や奥歯を下げていく方法を取って出ている前歯を引っ込めることができます。しかし歯列全体が倒れている場合は骨格が原因である可能性が高いので、顎の骨切り術という手術が必要になる場合も。インビザラインでできる範囲かどうかは程度によるので、歯科医師に相談してみることをおすすめします。
開咬の症状
開咬(開口)とは、前歯が開いている症状をさします。奥歯を噛んだときに何らかの原因で上下の前歯がきちんと重ならず、隙間が空いてしまうのです。あまり聞きなれない言葉だと思いますが、オープンバイトとも呼ばれます。
専門用語では「不正咬合」と呼ばれ、いくつかの種類がある不正咬合の1つとして分類されます。噛み合わせの問題とされ、10代では10人に1人の割合で開咬、およびその傾向があるとされるくらい、起こりやすい症状です。
開咬による日常生活での不都合は?
開咬(オープンバイト)の一番の問題は、前歯で物が噛めないことです。奥歯はしっかり噛み合わさっているので、顎や奥歯の負担が大きく、奥歯の寿命が短くなったり、治療した詰め物が外れやすい、知覚過敏になりやすいといった影響も及ぼします。
食べ物を小さく噛み切れずに嚥下障害を起こすことがあるほか、口が常に開いているとドライマウスになり、細菌が繁殖して虫歯や歯周病が起こりやすい、風邪などのウイルス性の病気にかかりやすいといったことも引き起こります。また、しゃべるときに息が漏れてしまい、発音するときに前歯に舌を着けられないため舌足らずな話し方になる傾向もあります。
開咬の原因
さまざまな原因が考えられますが、例えば以下のことが考えられます。
- 小さい頃に指しゃぶりや爪を噛んだりする癖があった
- 慢性的な鼻づまりで鼻呼吸より口呼吸が多い
- 両親も開咬の症状がある
開咬(オープンバイト)の原因の一つに、小さい頃からの癖があります。歯並びに悪影響をあたえる指しゃぶり、爪噛み。また舌を噛んだり押し出したりする癖、頬杖なども長く続けていると、歯が移動して開咬の症状を引き起こしていまします。
他には口呼吸も原因の一つです。直接の原因に関係なさそうに思えますが、鼻炎や蓄膿症といった日常的に鼻づまりになっていると口呼吸の癖がつきます。歯並びは、舌による内側からの圧力と、唇や頬の筋肉からの圧力のバランスによって並びます。口呼吸を続けると、唇や頬の筋肉が動かず、つまり外側からの圧力がかからないので歯並びの悪さや開咬に繋がるのです。
顎の形が悪い、骨格に問題があるといった場合は、遺伝によって開咬になると考えられています。
開咬を治療するとこんなにいいコトが!
- 口の中が乾かなくなり、口内トラブルが減る
- 前歯で思いきり噛める、食べられる
- 口を隠さずに笑える
女性の中では、歯並びを気にして、笑うときに口を手で隠してしまう方もいます。本人は口を隠すのが癖になってしまっているので、気づかない人も多いですが、他人から指摘されて気づいた、恥ずかしいといった思いをされた経験をお持ちの人もいます。口元を隠すのは心理的にも自己防衛の表れともいわれているので、人に心を開かない、消極的になるといったことも起こります。
悩んでいる開咬の症状を治療すると、人前で思い切り笑えますし、口元を気にせずに手で隠さないで笑えます。また、なにより前歯が合わさることで噛み切れるので、美味しい食事も思う存分楽しめますよ。
インビザラインで治せる開咬
インビザラインは、ほとんどの開咬治療に適しています。開咬は、奥歯の噛み合わせを重視した結果、前歯が倒れてしまっていることが多いため、奥歯を歯茎に沈ませる「圧下」という動きが必要です。インビザラインはワイヤー矯正よりもこの圧下の動きが得意なため、ほとんどのケースに対応できます。また、前歯の傾斜にも対応でき、前歯を押し出そうとする舌からマウスピースで守ってくれます。
しかし、すべての開咬がインビザラインで治療可能ではありません。例えば、重度の開咬や顎の骨格異常が原因の場合、外科手術を伴う治療が必要になることがあります。
インビザラインで開咬を治療する具体的な方法
前歯の移動
インビザラインでは、前歯を後方へ移動させることで開咬を改善します。舌の押し癖や口呼吸が原因で前歯が突出している場合、この方法が有効です。透明なマウスピースは計算された力を前歯にかけ、少しずつ正しい位置へ移動させます。これにより、前歯の噛み合わせが改善されるだけでなく、唇の閉じやすさや発音のしやすさの向上も期待できます。
さらに、インビザラインでは歯の移動をシミュレーションするソフトウェアを活用し、患者ごとに適切な動きをデザインできます。このデジタル技術によって治療の精度が高まり、患者は治療中の進捗を視覚的に確認することができます。
奥歯の移動
奥歯の高さを調整する「圧下(歯を沈める動き)」は、インビザラインが得意とする治療です。奥歯を沈めることで前歯が正しい噛み合わせになるよう調整し、全体的な咬合バランスを整えます。この動きは特に、骨格的なずれがない場合に有効です。
また、奥歯を動かす際には、顎関節への負担を考慮した治療計画が立てられます。顎の安定性を確保しつつ、歯列全体の機能性を向上させることが目的です。適切な力をかけるため、定期的な検診で進行状況を確認することが重要です。
インビザラインの治療期間
開咬治療におけるインビザラインの平均的な治療期間は、1年から3年程度です。この期間は症例の複雑さや患者の舌癖の改善状況、さらには装着時間を守れているかどうかによって変動します。例えば、軽度の開咬であれば1年程度で治療が完了するケースがありますが、骨格的な問題が絡む場合や、舌癖が強い場合は2年以上かかることもあります。
治療期間を短縮するためには、歯科医師が提案する計画を忠実に守ることが不可欠です。日常生活で舌の位置や癖を意識し、改善するためのトレーニングを取り入れることも効果的です。
開咬をインビザラインで治すコツ
装着時間を守る
インビザラインは1日20~22時間の装着が推奨されています。この時間を守ることで、計画通りの歯の移動が可能になります。装着時間が短いと、歯が移動しきれず治療期間が延びたり、後戻りが発生するリスクがあります。特に、寝ている間の装着は重要です。寝ている間は舌や唇による外的な力が少ないため、装置の効果が最大限に発揮されます。
検診を欠かさない
治療期間中は4~6週間に一度の検診が必要です。検診では、マウスピースの適合状態や歯の動きを確認し、必要に応じて治療計画の微調整が行われます。また、検診時には口腔内の健康状態もチェックされるため、むし歯や歯周病の早期発見・治療にもつながります。
適切にマウスピースを管理する
マウスピースは常に清潔に保つ必要があります。専用の洗浄剤を使用し、毎日洗浄を行うことで細菌の繁殖を防ぎます。また、食事中に装置を外す際には専用のケースに保管し、紛失や破損を防ぎましょう。さらに、交換時期を守ることも重要です。新しいマウスピースに交換するタイミングが遅れると、計画が狂う原因になります。
インビザラインの実績がある歯科医院を選ぶ
歯科医師の経験と技術がインビザライン治療の成功を左右します。特に開咬治療の実績が豊富な歯科医院を選ぶことが重要です。実績のある歯科医院では、患者一人ひとりの症例に合わせた的確な治療計画が提供されるため、より納得して治療を進めることができます。口コミや公式サイトの症例紹介を参考に、信頼できる歯科医院を選びましょう。
まとめ
開咬は審美面だけでなく、機能面でも問題を引き起こします。しかし、軽度から中等度の開咬であれば、インビザラインを用いることで効果的に改善できます。インビザラインによる治療では、装着時間の遵守や定期的な検診が成功の鍵となります。さらに、マウスピースの適切な管理や、実績のある歯科医院選びも治療を円滑に進めるために重要です。まずは医師に相談し、適切な治療を開始することが第一歩です。
インビザラインの治療に関する詳細や疑問点については、以下のリンクからご覧いただけます。
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